Purple Harp

創作や日常に関する雑記

COMITIA124レポート スペースレイアウトレビュー +創作語り

こんにちは、つぁーこです。
5月5日にCOMITIA124へ参加してきたので、そのレポートを書きます。
# 引越しとかぎっくり腰(笑…)とか色々あって日があいてしまいました。

 

まずは、スペースまで足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
当日、とても楽しく濃密な1日を過ごさせて頂きました。

当日のスペース設営はこんな感じです。

 

創作モーツァルトアンソロジー(B5/140P)がその日の新刊、3月新刊のサリモツ本(B5/110P)がコミティア初出でした。 

元々私は、「1年に1冊くらいは薄い本出せればいいな!」と呟きながら2年に1冊のペースで本を出す、という超のんびりペースで活動してました。イベント参加すら2年に1回。2014-2016年頃では2次創作に浮気し、まるっと歴史創作から離れてた時期もありました。

常々、こんなのんびり屋の私のことを忘れずに本をお手にとって下さる方がいることに、感謝してやみません。

ですから、3月に引き続いて5月にイベント参加し、どちらも新刊を用意しているというのは、当社比でいうと超ハイペースなのです。しかもどちらも分厚い。もちろんサリモツ本はそれなりの期間をかけて準備しましたし、アンソロに至っては私の力ではなく執筆者様のお力が全てです。

ただ、如何せん分厚い本を自スペで立て続けに出すということをしていなかったので、スペースの取り回しには苦労しました。しかもサリモツ本には青い不織布のバッグを、アンソロには赤いコットンバッグをノベルティとしてつけていたので、その在庫もスペースを圧迫していました。イベント中はほぼ1日立ちっぱです。反省している。おそらく、次回以降のイベントでは頒布が落ち着いてスペースに余裕もできるのかな…。

 

イベントでは、沢山の方に本をお手にとって頂いて、とても嬉しかったです。ページそれなり、お値段もそれなりで、敷居が高いかな?と予想していたのですが、ふらっと立ち寄って下さった方がそのまま購入してくださることもあって、大変ありがたかったです。

ご購入頂いた本を、ノベルティバッグに入れてお渡しすると、結構驚かれる方が多くて、その反応がとても楽しかったです。「これ付いてくるんですか?」みたいな。2次創作では割とアンソロ+ノベルティバッグという組み合わせがよく見られると思うのですが、コミティアでは(そもそもあまりアンソロ企画自体ないでしょうし)珍しいかもしれませんね。

バッグがあるとお渡しするのにとても便利なのですが、流石にコットンバッグは単価が高かったので、今後同じように作るのは難しいかな、と思っています。不織布か、ポリ袋ならアリかな。ノベルティは制作側の自己満足で、単純に作ってて楽しいので、またチャレンジしたいです。

それから思ったよりサリモツ本が動いたことに驚いています。某ソシャゲ効果を感じることが多く、「お、サリエリ本だ」と気にかけて下さる方もいらっしゃいました。やはり巨大コンテンツ…ツヨイ。少しでも歴史創作を知って頂ければいいな、と願っています。

 

3月、5月イベントで、新しい試みやグッズを沢山導入しました。その中で便利&効果的だと感じたものは…

①お釣りトレー
②折りたたみ式キャリーカート(+宅配搬入搬出)
③見本用帯
④自宅用プリンター+ラミカで作る値札POP
⑤同人用名刺

です。逆に、なくてもいいなと感じたのが

・お品書きパネル(帯+値札で事足りる)
・ペーパー(Twitter実況で事足りる)

です。

①お釣りトレー
新刊がどちらも1,200円で、札+小銭となるため取り回しが大変だろうと、用意してみました。購入者がお代を出して下さるのを、待ち構えなくて済むので、その間に本やノベルティの準備ができる。

②折りたたみ式キャリーカート
もう2度と自力搬入しないと心に誓った。宅配搬入搬出は偉大。楽ちん。
旅行用のキャリーは嵩張るし、ダンボールを運べない。けれど折りたたみ式キャリーなら搬出用にダンボール運べるし、帰りは少ない荷物をキャリーに括り付けて引っ張って帰れば良い。もうアラサーなのだ。肩や腰に負担はかけられない。

③見本誌用帯
絶対今後続けて行こうと思いました。帯は小説本につけるもの、と思わずに皆やった方がいい、特に1次創作は。本全部に帯つけるのは大変だけど、見本誌用に用意するだけなら手間も費用もかかりません。効果は絶大で、明らかに帯に目を留めて「ん?」と気になってもらえる回数が増えたと思います。中をめくる前に気になってもらえる、というのは良かった。特にモーツァルト目当ての方が既刊のバロック本に目を留める、という場面で効果を感じました。それから、イベント中に一回も「いくらですか?」と聞かれませんでした。帯にでっかく値段書いてたので。

④値札POP
スペースの近距離にいる方には、本の表紙と帯を見てもらえる。けど本を平積みしてたので、中距離の方からは表紙の絵がよく見えない。なので、スペースを少し立体的にしたくて、イラスト入り値札POPを作りました。正直、中距離アピールは改善の余地があると思ってます。遠距離へは背面ポスターでアピールしてます。

⑤同人用名刺

自身の本のうち、一部を買っていかれた方に「通販ありまっせ、気になったら見てね」と告知するために名刺を作りました。

 

スペースレイアウトを試行錯誤するのは楽しいです。

今の悩みは、今後サリモツ本が増えていった時にどうやって既刊を展示していくか、です。B5本はデカイ…。本棚?みたいなのを導入して1冊ずつ立てかけて、新刊のみを平積みしていくのがいいかなぁと思っています。A5本の方がレイアウトは楽でしょうし、家で読む分にはA5本好きなのですが、どうしてもイベントで新刊の箱を開いた時の重量感や華やかさが忘れられず、B5本ばかり作ってしまいます。(そして在庫が重い)

 

さて、今後は受かっていれば8月のコミケに参戦します。頼む受かっててくれ…飛び飛び申し込みしてますが、もう2回は落選してます。

そこで、普通に既刊を頒布しようと思っていたのですが、COMITIAイベント中に「バッハ・ヘンデルスカルラッティ生誕333周年」ということを知ってしまって、「これは本出さねばァ!!!」と奮起してしまいました。一旦サリモツ本の手を止め、再度バロック本を描く予定となりました。

正直、またバロック本を出すことになるとは思っていませんでした。サリモツ本続きをお待ち下さってる方には申し訳ないのですが、是非是非バロック本も宜しくお願い致します。(これから描くのですが…)
これはA5本でいいかな。2016年のバロック本がもうすぐ完売しそうなので、再販するとしたらA5で再販して、バロックシリーズをA5に統一しようと思います。

しばらくは支部再録するつもりはありません。スペースを賑やかしていたいからです。「うわ、この絵もう古くて見てられない!」ってなったら再録するかも。

 

ハイペースイベント参加楽しくて中毒になりそうです。
原稿中はTwitter等が低浮上になるかと思いますが、何となく忘れないでいて下さると嬉しいです。今後共宜しくお願い致します。

 

長文になりましたが、折りたたみ以下で、自創作に更に踏み込んでだらだらと語ろうと思います。

サリモツ本に感想フォームを載せたのですが、色々な方から感想を頂けて、本当にありがたく思っております。またアンソロ関係でやり取りする間に感想を頂戴することもあり、全て大切に読ませて頂いております。

サリモツ本で嬉しかったのは、このお話の最大の創作要素である『三位一体』が好評で、受け入れられた、ということです。前々から、モーツァルトを三位一体の位格(ペルソナ)に分割して解釈するというのは、ブログやTwitterで細切れに表現してましたが、同人誌というまとまった形で出すことができて、初めてそれを伝達できた、と感じます。

特に、キャラクター投票で『父』の位格を持つテオフィルスが現状 人気2位にランクインしてることに感動しました。テオフィルスはモーツァルトの神性を凝縮したキャラクターで、あまり喋らず意味深で、平たく言えば「フワッとした」キャラクターです。だから、この存在が読者に伝わるのかどうか、とても心配しておりました。アマデウスの方が、「モーツァルトの楽曲の擬人化」というイメージや「幼い神童の頃の姿」というイメージが重なりやすいだろうなと予想しており、自分の中でも扱いが固定されてました。テオは受け入れられなかったら出番を減らすことすら考えていて、だからこそ、アンケートで彼の存在が受け入れられて、本当に嬉しかったです。

このサリモツ創作の完全なるダークホースは間違いなくジュスマイヤーで、最初はただのモブキャラだったのに、「彼が屈折した偏愛をモーツァルトに抱いている」というところから、彼の無限の可能性が開かれてしまい、今や立派なサブキャラに成長しました。第3巻あたりでは、ジュスマイヤーにスポットを当ててサリモツを描き出そうと考えていて、かなり重厚なストーリーになる予定なので、今から描くのが楽しみです。

 

全ての感想が嬉しいのですが、ピンポイントで「うわ、そこまで読み込んで下さったんだ!」ってびっくりしたのが、サリエリの師匠であるガスマン先生がマトモなキャラクターだ、ということです。そう、そうなの!サリエリとモツの出会いシーンは、サリエリの作曲を制限するガスマン先生とモーツァルトの作曲をアピールするレオポルトの対比でもあるのです。私の力が未熟で、表現しきれてないのですが、読み取ってそれを伝えて下さって、本当に驚愕しました。

オポルトはレオポルトで、モーツァルトの才能を理解し息子が生き残る術を彼なりに授けようとしてたのだと思います。漫画では、父の期待に縛られるモーツァルトの悲しみを表現したくて少し悪意のある描き方をしましたが、モーツァルト最大のパトロンとしてこの上なく機能してたはずです。

それでも、私はガスマン先生の教育理念が素晴らしいなぁと感じて、あのように表現しました。ガスマン先生は、サリエリの才能を正しく理解し最もそれが広く受け入れられるようなレールを敷いた。モーツァルト父とモーツァルトのような齟齬は生じず、サリエリはガスマン先生を全面的に信頼してたのではないでしょうか。弟子がサリエリだったからこそ、その理念が正しく伝わり受け継がれたというのもあるでしょう。仮に、ガスマン先生の下にモーツァルトがついて作曲を制限されたとしたら、モーツァルトは発狂すると思います(笑)。何にしても、ガスマン先生の「無償で教育を施す」という博愛の精神が、サリエリ"先生"に受け継がれたことが、素晴らしく思えてならないのです。

 

アンソロ作品に対しても、個別に感想を頂戴しており、本当にありがたい限りです。私のアンソロ作品は、アインシュタインモーツァルトという、一見関わりのない人物が登場します。それが宇宙とか、星とか、旅とか、サリエリとかいうバラバラなキーワードを結びつけていくのです。

この作品は16Pで、これを書いた時私は「短くまとめようと思えばできるやん!」と思いました。サリモツ本で描きたいことをダラダラと描いて100P超えをしてしまい、早くも風呂敷の畳み方に悩んでいるので、うまくお話をまとめる力をつけていきたいと考えています。

このお話を読んで「泣きました」と言って下さった方がいて、自分の作品に心を動かして下さること以上に幸せなことはない、と改めて思いました。
2次創作をしてた時も、「泣きました」と熱い感想を下さった方がいて、本当に嬉しかったです。涙するほどに、感情を発露するほどに心を寄せて下さった。そのことは(あくまで素人ですが)創作者冥利に尽きます。

 

サリモツ創作も、アンソロ作品も、元は2012年に考えたネタが下地となっていて、暖めていたストーリーをこうして発表できてとても幸せに思います。

脱線するのですが、2012年は私が人生で最も大きな挫折を味わった年で(ブラック研究室にメンタル潰されるとこだった)、その時「心を大事にできない環境に身を置いてはいけない、逃げよう」と決心させてくれたのが、その時湧いたこの2つのお話でした。私にとって、描き切れなければ死に切れないというほどの、大切なお話です。

何だか湿っぽく粘っこい話になりましたが、爽やかな読後感を目指して描いていくつもりなので、楽しみにして頂けると嬉しいです。私は根っからのハピエン厨なので、途中いくらシリアスになっても、めっちゃ救われる話を描きます。モヤッとしません。「んあーーめでたし!!!」ってなります(予定)。

 

すごくダラダラと書き綴ってしまいました。ブログ書くのって楽しいですね。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

 

おわり